シリーズE|経営者のための決算書の読み方 #2

「決算書を読めるようになりたい」と思っても、「どの程度できれば読めると言えるのか」の基準がわからず、学習のゴールが見えにくいことがあります。

この記事では、経営者にとっての「決算書が読める」とはどの程度のことを指すのかを整理します。

「読める」には3つのレベルがある

レベル1:数字の意味がわかる(用語の理解)

売上総利益・営業利益・純資産・流動負債——これらの用語が何を指すかを理解しているレベルです。決算書を見て「どこに何が書いてあるか」がわかります。

このレベルは、用語集や入門書で比較的短時間で習得できます。

レベル2:会社の状態を読み取れる(判断への活用)

数字の意味を理解した上で、「この会社は利益が出ているか」「借入が過大ではないか」「現金は十分か」という判断ができるレベルです。

経営者に求められる最低限の目標はこのレベルです。税理士との対話、融資交渉、自社の経営判断に活用できます。

レベル3:数字の背景を分析できる(専門的理解)

財務諸表の細部を分析し、業界平均との比較・過去との推移・粉飾の可能性の検討などができるレベルです。

公認会計士・税理士・財務アナリストのプロフェッショナルなスキルであり、経営者全員に求められるものではありません。

経営者が目指すべきは「レベル2」

経営者に必要なのはレベル2——「会社の状態を大まかに読み取れる」レベルです。具体的には以下の3点が確認できれば十分です。

損益計算書で、売上・費用・利益の大きな流れを追える

貸借対照表で、資産・負債・純資産のバランスを見られる

キャッシュフロー計算書で、現金が増えているか減っているかがわかる

この3点を自分で確認できるようになることが、本シリーズの目標です。

「読めない」ままでいるコスト

決算書が読めない状態が続くと、毎年税理士から渡される数字を「そうですか」と受け取るだけで終わります。経営の問題が数字に現れていても、それに気づけません。

決算書の読解は一度習得すれば一生使えるスキルです。難解に見えても、経営者に必要な部分だけに絞れば習得のハードルは高くありません。

まとめ

「決算書が読める」には3つのレベルがあり、経営者が目指すべきはレベル2——会社の状態を大まかに把握できるレベルです。

次回からは、損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書の読み方を順番に解説します。

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